開発者の話しで納得できた霧ヶ峰だと電気代が節約できる仕組み
夏の節電 決め手はエアコン
これからの季節、節約というとエアコンの電気代が気になるところです。日本の一般家庭における電気代内訳ではエアコンは実に7.4%を占めています。これは年間を平均しての数値なので、夏の冷房、冬の暖房を使う時期にはさらにエアコンが占める割合いが大きくなるわけです。数値の出所【経済産業省 総合エネルギー審査会 省エネルギー基準部会(第17回)資料「トップランナー基準の現状等について」(平成23年)資料より】
10年以上前のエアコンに比べて現在のものは約40%省エネ
エアコンの電気代節約についてよく耳にするのは「最近のエアコンは消費電力が極端に少なくなり電気代も節約できる」という言葉ではないでしょうか。
「10年以上前のエアコンと比べ約40%の省エネ」とも言われています。(資源エネルギー庁 家庭の省エネ徹底ガイドより)
まずは古いエアコンを使っている方は「しんきゅうさん」というサイトで比較してみてはどうでしょうか。今使っているメーカー名や型番を入力することにより、最近のエアコンとの消費電力の比較をすることができます。
三菱電機 静岡製作所 霧ヶ峰が作られている現場
そんな夏を前にした先日、静岡県にある三菱電機 静岡製作所にてエアコン霧ヶ峰の工場見学、そして開発者の方のお話を聞かせていただく機会がありましたので、ご紹介させていただきます。
まずはじめに聞かされたのが「日本で発売されている霧ヶ峰はすべて日本で作られているもの MADE IN JAPAN」ということです。海外で生産されている商品が多い現在、それもすごいことだなと感じました。
そして霧ヶ峰が作られている現場は、完全にオートメーション化されているところと、人の手でひとつひとつ丁寧に作られているところがあったのも印象的でした。
▼完全オートメーション(動画6秒)
▼人の手により作られている(動画6秒)
さらには人の手で作られているところも「作業ナビ」という独自のシステムを利用し、ヒューマンエラーを防ぐ工夫もされていました。
今回は2015年10月に発売された最上位モデル「霧ヶ峰アドバンスFZシリーズ」と、2016年3月に発売されたデザイン性を追求した「霧ヶ峰スタイルFLシリーズ」を中心に話を伺ってきました。
とくに私が気になったのは、「平成27年度 省エネ大賞 経済産業大臣賞 最高賞」を受賞したFZシリーズでした。
霧ヶ峰に搭載されているムーブアイ極によってできる電気代の節約
「霧ヶ峰 ムーブアイ」という単語は私も耳にしたことはありましたが、実際にどのような技術をもち、どのような効果があるのかは今回の見学で初めて理解しました。このムーブアイが360度ぐるっと部屋を見渡しそれぞれの箇所の温度を認識しているのだそうです。
そしてこれが前年の2015年度モデルのムーブアイと比べて4倍の解像度となったため、手先足先が感じている暑さ寒さまでを認識できているのです。
左が従来のムーブアイ、右が解像度が4倍になったムーブアイ極。人の形も綺麗に認識していますし、人体が暑いと感じている部分と涼しいと感じている部分がハッキリ表示されています。
世界初の左右独立型駆動プロペラファンによってできた霧ヶ峰の電気代の節約
1968年に三菱電機がエアコンに搭載してから約50年エアコンの一般的な構造となっていたながラインフローファン(細長いファン)。このラインフローファンからプロペラファンにしたことで、熱交換器をW型に配置でき搭載量が約22%アップ、それによって1年前の同タイプと比べ約13.3%の省エネ化が実現したそうです。
「パーソナルツインフロー」左右独立型駆動プロペラファン搭載しているのは世界初(2015年10月三菱電機調べ)
▼上がパーソナルツインフロー・ 下が従来のラインフローファン
▼上がパーソナルツインフロー・ 下が従来のラインフローファン
暑がりさんと寒がりさんの共存が可能な霧ヶ峰
そしてこの、ムーブアイ極で「見て」、パーソナルツインフローで「届ける」ことによって、暑がりさんと寒がりさんの共存ができ、無駄に温度を下げたり、無駄に温度を上げたりすることもなく、快適と省エネを実現することができています。
こちらの動画で一つのエアコンから出ている風でピンクの部分だけ風車が動いているのがわかるでしょうか。(動画6秒)
特許技術でもあるハイブリッド運転で実現した霧ヶ峰の電気代節約
三菱電機の特許技術でもある扇風機とエアコンのいいとこどりをしたハイブリッド運転。これはとくに冷房が活躍する今からの季節でのエアコン電気代の節約に繋がる技術。
エアコンの冷房運転時に使用している電力の約90%が圧縮機なのだそうです。(三菱電機調べ) 圧縮機とは室外機に組み込まれているコンプレッサーのことで、ものすごく簡単に言ってしまうと熱を奪って冷たくしてくれる役割の部分。それを止めて送風(爽風)だけにすることによって、大幅な消費電力のカット、電気代の節約につながるというわけ。
ハイブリッド運転にしておくと、ムーブアイによって人の体感温度をみて冷えているときは「爽風」で、暑いと感じているときは「冷房」に自動に切り替えてくれるそうです。温度変化がある寝ているときに、途中で暑くて目覚めた、寒くて目覚めたということも避けられるわけですね。
仕事柄、 新しいエアコンは省エネ化が進んでいて電気代が節約になるということは知っていましたが、今回、三菱電機の静岡製作所でエアコン霧ヶ峰内部の構造を見せてもらい、その役割や省エネ効果を詳しく伺って納得することができました。
霧ヶ峰はいくつかシリーズがあり、それによって機能も違いますので、詳しくは公式ページにてご確認ください。
>> 三菱電機 ルームエアコン
取材協力:三菱電機